今までありそうでなかったお茶農家のお茶摘みボランティア体験。初の試みで、かつ告知が遅れたことで集客が心配だったものの、八十八夜というこれ以上ない日に、予想を上回るボランティア参加者が五ヶ瀬町鞍岡の、周りを水田に囲まれた小さな茶畑に集まりました。
指導するのは、お茶の国駿河(静岡)出身で、五ヶ瀬町に移住し家族と一緒に、五ヶ瀬の特産でもある釜炒り茶を作っている横山陽子さん。
お茶摘みのポイントは『一茎二葉』、つまり先っちょのV字型の新芽だけを、手で優しく摘んでいくというもの。5月の爽やかな風が吹く中を、めいめいのテンポで和気藹々と作業は進みました。摘み取った茶葉は大きなザルに集めて、ゆるく天日干しにします。
畑の周りではキジが歩いていたり、小さなアオガエルが葉っぱに日光浴していたり、蝶々が舞っていたりと、参加者を楽しませてくれました。ヘビも見かけました。巣を作成中のスズメバチ(女王蜂)もいましたが、巣の駆除も無事におこなえました。
お昼をはさんで、午後は2つのグループに分かれて木陰のお茶会を。貴重な白茶から紅茶まで、数種類のお茶を、横山さんのお茶のそれぞれの特徴やできるまでの話を聞きながら堪能しました。用意されたフルーツのスイーツも素晴らしく、皆くちぐちに「参加して本当に良かった」と感想を述べていました。早くも次回開催の申し込みをする気の早い参加者もいるほどでした。
この日摘んだ茶葉はその日のうちに製茶され、日をおかず参加者の元に届けられるとのこと。今まではただ飲むだけだったお茶が、こうやって作業に参加することでより身近になり、農家の苦労に想いを馳せるきっかけになることは間違いないでしょう。