世界農業遺産(以下GIAHS)「高千穂郷・椎葉山域」を巡る秋のフットパスイベントの第1回、10月20日は春に続いて2度目の椎葉村十根川(とねがわ)コースでした。
実は、初日は同じ椎葉村の尾前コースの筈でしたが、集合地に向かう国道がまさかの交通規制、1時間以上の待機という!
予定を急遽変更しての当日でした。
申込キャンセルが直前に出て、残念ながらスタッフ2名で歩くことになりました。気持ちとしては、X-JAPANの無観客コンサート、サッカーでの無観客試合の当事者にも近い無念感でしたが、それでも実施した甲斐はいくつもありました。
歩きながら、今後の展開〜いかにして申込者を増やすか、何を伝えれば参加者が飛びついてくれるか、看板はちゃんと立ってるか、撮影スポットはどこか...などなどの課題を発見・解決していくやり方に2人して切り替えましたが、その点の課題の見出だせたのは収穫でした。
天気はこれ以上ない快晴。
今から約1200余年前、壇ノ浦合戦から逃げ延びた平家の残党を討伐に追ってきた那須大八郎宗久が植えた巨木の八村(やむら)杉、平家の子孫たちが土地の特徴を絶妙に活用して作り上げた建築様式である「椎葉型」一列平面の主屋と馬屋を構える建築物群。国の重要伝統的建造物群にも認定されている、建築学的にも価値の高い、立派な集落です。
石垣と石州瓦が織りなす高低差の激しく、また、私有地なのか公共地なのか判然としない場所が数多ある集落内を、そこに住まう人々と挨拶を交わしながら通り抜けていきました。
コースを示す看板が移動していたり傾いていたり、ペンキが剥げていたりと、劣化している箇所を可能な限り応急処置をしながらの、ある意味この上なく贅沢なフットパスでした。
石垣に築かれた田んぼは、掛干しが美しい造形美を醸し出し、よく見ると田んぼごとに仕組みが異なっていて、違いを見る楽しみも教えてくれました。
また、狭いスペースを巧みに開墾した畑には、人間の営みの尊厳さも感じ取ることができました。
この日と翌日の尾前フットパス実施日は、村人総出の道路の草刈り作業ということもあって、あちこちからやまびこを伴って聞こえてくるカンリキの音を除けば、非常に静かな集落でした。
また、撮影者の立場からしてみたら、翌日も含めて、純粋に撮影ポイントを集中して探し出せる貴重な機会に恵まれました。ここに紹介するのは、ほんの一部分です。
「行けばよかった〜」と思われた方は、是非とも2019春のイベント情報をご期待ください。
なお、[フォレストピア・フットパス2018秋]GIAHS「高千穂郷・椎葉山域」を巡る秋のフットパスイベントは、最終となる11月18日(日)まで毎週末催されます。今週末は、五ヶ瀬の桑野内と宮野原、2つのフットパスです。
お申し込みはHP専用フォーム・電話/FAX0982-73-6366(平日9時-18時)にて受付ております。