【活動報告】11月17日くしふるの峰フットパス

投稿日:2018年11月22日 更新日:

まずは芸能の神様として全国津々浦々に知られる「荒立神社」を出発します。
コース自体を言葉にすると「神域を歩く」に尽きます。
早速の御来光に見送られ、神域の杜に入ると、すぐに天孫降臨に深い関わりのある20神の祀られた「二十躰王宮(にじったいおうのみや)」、ついで福岡と同じく美神三姉妹の祀られた「宮地嶽社」があらわれます。
退院復帰後の初仕事となる高藤さんの解説が早くも冴え渡りました。
難しい神様の話を噛み砕きわかりやすく説明してくれるので、参加者は立て看板に書かれていることを、難なく理解していきました。

コース名にもなっている「くしふる神社」は、高千穂・五ヶ瀬・山都(熊本県)を合わせ「知保郷」と呼ばれるエリアの中で2番目に古い神社で、神殿の彫り物が見事でした。
日光東照宮建立の際に活躍した彫師が手掛けたと言われているそうで、こういう彫り物が見られるのは他には五ヶ瀬町の鞍岡祇園神社と三ヶ所神社の3社しかないとのことでした。

「この辺りの道はかつては日向往還の別道でもあり、山は御神体として立ち入りを戒めています。でも、子供にはそんなの関係ないと仲間と一緒に登って、そこで小便した友達が家に戻って痛みを訴えました。医者もお手上げ、父親が事情を聞いて、そりゃいかんと塩をまき御神酒を捧げ、神官にお祓いしてもらったら、痛みがピタッと止んだんです」
高藤さんの実体験話も興味深く、晴れたのに陽がまったく射さず肌寒いコース道も、ますます神聖なものとして身近に感じられていきました。

一箇所一箇所の滞留時間が長くなり、コースを一部はしょって、可能な限り「天孫降臨」に沿った旧跡を巡ることにしました。
「高天原遥拝所」「高千穂碑」「四皇子峯」...いずれも教科書や神話に登場する、漢字の難しい神々が、それこそ押し寄せるようにあらわれるのですが、高藤さんがポイントを絞ってくれるおかげで、自然に身体に溶け込むように話が入っていきました。
杜を抜け、下りの坂道を集落の間を抜けて「天真名井(あまのまない)」へ。
澄んだ湧水の背後には推定樹齢1,300年のケヤキが3本! 以前、無機質な護岸工事で台無しになってしまった眼前の真名井川は、これから徐々に復元されていくとのことで、完成したら伊勢の五十鈴川のような新たな御手水的神域となるかもしれないと、期待を寄せました。

時刻も正午に近づいたところで、車で移動。旧高千穂駅舎内にあるレストラン「Arigato」にてランチ。
お互いに感想を述べ合い、「また春に会いましょう」と笑顔を交わして、この霊験あらたかなフットパスコースを後にしました。

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なお、[フォレストピア・フットパス2018秋]GIAHS「高千穂郷・椎葉山域」を巡る秋のフットパスイベントは、今回レポートの「くしふる」と、翌日の日之影「深角(ふかすみ)」を以って、事故もなく無事に全プログラムを終えることができました。
参加者の皆様、関わりいただいたすべての方々に厚く御礼申し上げます。

2019年春については、場合によっては五月雨式になるかもしれませんが決まり次第お報せしていくつもりでおります。

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