2022秋づく!フットパス五ヶ瀬・土生コース報告

投稿日:2022年11月14日 更新日:

五ヶ瀬・土生(つちはえ)コース

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全国でも希少な釜炒り茶の一大産地である五ヶ瀬町桑野内地区の、難読地名でもある土生(つちはえ)。
大分県竹田市まで伸びる県道7号線の拡幅工事がおこなわれており、今後の訪問人口が増える可能性を秘めているエリアです。
案内人は本集落の生まれ育ちである佐藤政志さん。ちなみに佐藤さんも土生の名前の由来はわからないとのこと。
桑野内小学校跡をリニューアルした介護施設「ぬくもり」駐車場に集合。参加者は、今回で一番多い22名。天候も、当初の予報が外れて見事な快晴。また11月にしては朝方も寒くなく、昼に近づくにつれて汗ばむほどの陽気、参加者の中には寒さ対策でフリースを脱ぐ人もいるなど、絶好のフットパス日和となりました。
最初に訪れたのは、シイタケ畑。佐藤さんの親戚の人が栽培しているとのこと。立派なシイタケが原木のところどころに生えていて、佐藤さんが駒打ちやメンテナンスなど栽培方法を話してくれました。
「こんな見事なシイタケは見たことがないですねぇ〜」
「地元のスーパーで売られているようなシイタケとは全然違う」
参加者の何人かは、解散後に早速シイタケが売られている特産センターごかせへ向かうほどでした。
桑野内コースは、稜線を貫く県道7号線の両側が下り斜面になっているので、すぐに下り道に入ります。水に恵まれず、お茶やぶどうを栽培するよその地区と異なり、棚田が多く見受けられ、掛け干しを終えた田んぼの風景が里山を歩く気分をいっそう高めてくれました。
今年は一面の紅葉があちこちで見られたこともあって足を止め、スマホを向ける参加者で、なかなか先に進まなかったのですが、それもまたフットパスならでは。
斜面でくつろぐヤギや時折こだまする鹿の鳴き声を聞きながら、ぽつん、ぽつんと点在する家々の庭先に、都会に住む自分らの周囲では感じられないような自然の豊かさ、暮らしの大変さなど、佐藤さんの話を聞きながらイメージを広げているようでした。
いったん下って底に至ると、そこから先は登り道。登り続けると県道7号に戻りました。歩道から、歩いてきたコースがかいま見え、その先には阿蘇をはじめ九州の誇る山並みが続いている様が一望にできる場所が続くのです。道路脇に唐突にあらわれる稲荷大明神は、実は非常に歴史あるお社なのだそうですが、参道の階段が山奥まで続き、時間がかかりそうなこともあって今回は軽い説明に止めることとなりました。
最後に訪れたのが、地元の神社である桑野内神社。県道7号は境内のすぐ脇を通るので、工事車に注意しながらの参道へ。境内にて参拝の後、佐藤さんの神社説明を聞きました。少年時代の思い出を交えながら、夜神楽になると外に出た者が戻ってくること、素晴らしい舞手がいて夢中だったことなどを話してくれました。そして嬉しいハプニング。佐藤さんは夜神楽における笛の吹き手。リュックから取り出すと、素朴ながら味わい深い笛の音を聞かせてくれました。感動のひと時を、皆で分かち合ったのでした。
ゆっくり自然や歴史を感じながらフットパスは終了。昼食会場の横通公民館に車で移動。この公民館はログハウスでできており、賞も貰っているくらい立派な建物。宿泊可能なことから、各フットパス参加者の中にそのことを知って、定期的に利用している方もいるほどです。
昼食は、横っちょ主宰の甲斐一子さんと主婦仲間で作ってくれた地産地消の食材を使ったビュッフェ。よそのコースに比べて参加人数を多めにできるのは、スタッフと話し合う中でアイディアの出されたビュッフェスタイルでの食事提供が大きいです。
盛りだくさんの料理皿はどれも、あっという間に空となりました。公民館のテラスでそよ風に吹かれながら、この日の思いや撮影した写真を見せ合いながら、今日まで知らない人たちが笑顔で交流に弾む様子もまた、フットパスの人気の秘密と言えるでしょう。

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