集落で1軒だけ残った
農家さんのこと
Case10.西原村小東地区
農家 久保田さん

集落で1軒だけ残った農家のこと
CASE10. 西原村小東地区
農家 久保田さん

西原村小東地区は、山に向かって段々に家や田んぼ、畑が作られた古い集落です
2度の大きな地震で家も田んぼも全てが破壊されました
かろうじて1軒だけ残った久保田さんの家も大規模半壊の判定でした

余震が続く中、お父さんとお兄さんは、無事だった加工所の中にテントを張って寝ました
お母さんと妹さんは、寝るときだけたんぽぽハウスに避難しました

震災前はもち米とうるち米を粉にして作るこの地域の名物
「こひがしもち」を毎朝つくり
道の駅「萌の里」に卸して販売していました
しかし、「萌の里」は俵山トンネルと道が破壊され営業停止
現在は仮設店舗で営業を再開しましたが
俵山トンネルが未開通のままでは交通量が増えません
更に阿蘇山が大噴火

「こひがしもち」は日持ちがしません
昔からお母さんが子どものおやつとして作って来た「かりんとう」
自家製大豆味、熊本産黒ゴマ味、熊本産生姜味の3種類を作ることにしました
木地を手でこね、カセットコンロにフライパンを乗せ、油で一つ一つ揚げています

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地割れし水が入らなくなった田んぼは自ら重機を使って畑に再生
加工品の材料にと小豆や大豆を植えました
家のサッシがようやく入りましたが屋根はまだブルーシートのままです

今は何とか使える部屋に家族で身を寄せ合って寝ています
雨が降れば雨漏りがし、大きなたらいが直ぐに一杯になってしまいます
台所も壊れたままで、思うように炊事が出来ません

全壊になった家の解体が少しずつ始まりました
家を失った住民が帰って来るのかはわかりません

心のこもった手作り「かりんとう」を販売しています
ご購入いただくとこで支援になります
熊本復興 人間力募集プロジェクト

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