本コースは、五ヶ瀬と椎葉を結ぶ主要幹線である国道265号から、山に分け入ったところに忽然とあらわれる集落地区を結んで歩くコースとして設定されています。
十根川集落は1204年、壇ノ浦から逃げ延びて隠住した平家の落人と追う源氏側との物語が漂う十根川神社と、平成10年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された、黒光りする石州瓦に統一された民家と石垣が織りなす佇まいの、見事な集落景観で成り立っている魅力的なコースです。
集合場所にて受付を済ませ、簡単な自己紹介と足腰の準備体操をして、出発。集落入口にある駐車場がコースの起点。コース順路は、普段は十根川神社の参道として、あるいは地元住人のための農作業道でもあります。
案内は、集落在住の案内人である那須敬美さんにお任せしました。
十根川神社の境内では、コース最初の屈指の撮影ポイントである御神木「八村(やむら)杉」が、圧倒的迫力を伴って眼前にあらわれました。那須大八郎宗久が手生け討伐の折、手植えしたと言われるものです。看板では樹齢は約800年と表記されているが、専門家に調べてもらったところ、屋久杉とほぼ同じ樹齢であるとのこと。さすがは高さ約55m(全国2位)、根周り19m(同4位)のスケール、誰もが圧倒されたようです。
十根川神社を出た後は、いよいよ十根川集落のメインコース。 集落内は、石の階段と石垣に沿って続く、迷路のような細道を進みます。途中途中に、路なのか私有地なのか判然としないような場所があるが、コース設定をしたときに住人説明をおこない、理解を得られ、イベント時でなくてもフットパスする人は自由に歩くことができ、住人との挨拶や交流の機会を与えられるなど、意義の高い内容として今も迎え入れてもらえているのです。案内の那須さんがそのあたりは熟知しておられ事前に了解をもらっていることもあり、歓迎ムードの中、楽しく歩かせていただきました。
現在、十根川集落に空き家はなく、住人は約60名ほどとのこと。武者返しの石垣が見事で、傾斜はどこも急勾配、足を踏み外さないようにゆっくり歩きました。見晴らしのいい場所で、那須さんらが準備してくれたお茶とおやつをいただきました。
お昼の前に、道の駅『平家本陣』にて椎葉名物の菜豆腐やハチミツなどを購入し、中心街へ。お昼まで時間があったので中心街をプチフットパス。鶴富屋敷などを歩いたり、椎葉の春を堪能しました。
お昼の会場『よこい処しいば屋』では、観光客にも大人気地元椎葉の蕎麦粉を使ったお蕎麦のランチ。豆乳プリンのデザートまで、すべての料理が椎葉ならでは。太めで短い椎葉蕎麦には鴨肉が贅沢に盛られていて、美味しいを連発しながらいただきました。
また、椎葉の新しい特産品として、Uターンして後を継いだ30代の若主人が開発し、今や県内ばかりか全国的に名を知られるようになったバターサンドを、食後はこぞって買い求めたのでした。
春めく!十根川フットパス2023春報告
投稿日:2023年4月1日 更新日: