フットパス(footpath)とは、ありのままの自然や古い町並み、田園などの風景を楽しみながら歩くことが出来る道のことを指します。
発祥の地とされるイギリスではフットパスコースが国土を網の目のように縫い、国民は積極的に歩くことを楽しんでいます。なんとその経済効果は1兆円を超えるとか。
日本では地域づくりの手法として注目され、北海道、東京都町田市、山梨県甲州市などが先進的にコース整備を行いました。フットパスブームは徐々に盛り上がりを見せており、現在は全国各地で楽しめるようになっています。
九州には宮崎県北を歩く「フォレストピア・フットパス」の他に、熊本県美里町の「美里フットパス」、福岡県中間市を歩く「なかまフットパス」など数十箇所のフットパスコースがあります。
フォレストピア・フットパスには専用のマップがあり、コースには案内用の看板が設置されていますので、それらを頼りにしながら歩きましょう。
マップは「特産センターごかせ」「Yショップ鞍岡店」で販売しております。
郵送での販売も可能ですので、こちらからお問い合わせ下さい。
電車や自動車は便利ですが、たまには歩くのもいいものです。確かにウォーキングはテレビやネットサーフィンほどエキサイティングではありません。でも、ゆっくり呼吸しながら自分の足で歩けば、体も心もリフレッシュできます。
フォレストピア・フットパスのコースの長さは4km~6kmとほどよい長さで、日頃運動をしない方にもピッタリです。物足りない方のために「寄り道ルート」、その反対の方には「近道ルート」を設定している場合もあります。
寺社仏閣をただ眺めただけでは、その土地に住む人たちの生活まではわかりませんよね。フォレストピア・フットパスは、あえて民家の前を通るコースづくりをしています。
地元のお父さんお母さんを見かけたら挨拶してみましょう。運良く交流が生まれれば興味深いお話が聞けたり、お庭の柿を譲ってもらえたりするかもしれません。
出会いがなくとも、ガードレールに干してある稲や動物の罠、蜂の巣箱など、都会で暮らしていると中々お目にかかれないものをどんどん見つけられて楽しいです。
フットパスはマップと看板を頼りに歩いて楽しめる、と前述しました。
しかし、魅力が最大限に発揮されるのは「ガイドツアー」です!
集落の歴史、文化、自然に精通している地元ガイドさんによる案内はフットパスの面白さを何倍にも高めます。
植物に詳しいガイドさんであれば道中の草木の種類を教えてくれたり、地名に詳しいガイドさんであれば旧地名とその由来を教えてくれたり。
「ここには有名な絵本作家が住んでたよ」
「このおもしろい看板は美術の先生が描いた」
「大型台風による洪水で集落が孤立したとき、身を寄せ合い努めて明るく過ごした」
などなど、地元の住民でしか知り得ない情報まで雑談の中で教えてくれます。
1.ゴミはきちんと持ち帰る。
2.許可なく動植物や田畑の作物の採取をしない。
3.家畜やペットを脅かさない。
4.火器の取り扱いには注意を払う。
5.地域の方々へ迷惑をかけるような行動を取らない。
6.蛇やハチなどの危険生物や、天候には十分注意する。
フットパスは地域に住む方々のご協力によって成り立っています。マナーはしっかり守りましょう。
「フォレストピア(forestpia)」とは、森林(forest)と理想郷(utopia)を組み合わせた造語で「森林理想郷」を意味します。豊かな森林・山林資源を活用する地域をつくっていこうとの理念の基、昭和62年に宮崎県が県北山沿いの5町村をフォレストピアモデル圏域として設定しました。高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町、椎葉村、諸塚村がその5町村です
フォレストピア地域は古事記や日本書紀の舞台となっている日本のふるさととも言える場所で、神楽や臼太鼓踊り、棒術など集落固有の文化が色濃く残っています。
四季がはっきりしていて自然が豊かで食べ物が美味しく、人情味あふれる穏やかな人々が神様と共に生きています。
そんな生活や風景を垣間見ながらゆっくりと歩く。それが「フォレストピア・フットパス」です。
フォレストピア宮崎構想以来、手を取り合い活動してきた圏域5町村ですが、2015年に「高千穂郷・椎葉山地域」として、国際連合食糧農業機関(FAO)から世界農業遺産(GIAHS)の認定を受けました。
世界農業遺産とは、FAOが2002年に始めた取り組みで、伝統的な農業や農村文化・景観を保全し次の世代へと伝えるために認定する制度です。
「高千穂郷・椎葉山地域」は椎葉村の焼き畑農業や諸塚村のモザイク林にはじまる山間地ならではの特徴的な農林業や、地域連帯のなかで生まれた神楽などの伝統文化が評価されました。