春めく!宮野原フットパス2023春報告

投稿日:2023年3月25日 更新日:

 

宮野原コースの見ものは五ヶ瀬町の町樹と言っても差し支えない枝垂桜。江戸時代に地元宮野原の浄専寺の僧侶が京都から持ち帰り、その苗木を66年前の五ヶ瀬町誕生の際に町民に分け与え、町内のあちこちに植林した桜が時を経て見事な成樹として咲き誇る様子は、春の一大風物詩として知られることとなりました。
今年は例年に比して1週間〜10日ほども開花が早く、もともとの開花時期を予測して設定した日程で大丈夫なのかという懸念もあったのですが、杞憂に終わり、満開の中、大勢の参加者たちと歩くことができたのは何よりでした。枝垂桜以外の山桜、ソメイヨシノなどはもちろん、モクレンに梅に桃にツツジと、まるで花園を抜けて歩くかのような宮野原フットパスだったのです。
地元を熟知する宮本紀昭さん(83歳)は、そんな花園状態ゆえに、花風景をできるだけ堪能できるよう大幅に変更したコースを設定。そして、参加者たちが少しでも長く春うららを堪能できるようにと歩みをゆっくりに。スマホを構えて撮影に興じる参加者たちにも大好評でした。
最初の見どころが原田邸と浄専寺、それから鳥の巣棚田に。途中、眼下に里山の風景が広がる中を談笑したり撮影した写真を見せ合ったり。友人にSNSで写真を送り、感激した人たちに「来年は一緒に回りましょう」と、自らがインフルエンサーになってくれていました。それだけの風景価値、散策価値がまた、この宮野原にはあるという証明にもなっていました。
鳥の巣棚田は、日本の棚田百選にも選出されているところ。案内人の宮本さんを中心とした地元の方々が半年かけて再開墾し、甘いトウモロコシを7年にわたって栽培してきたところである今年からは、五ヶ瀬自然農園の若者があとを継いで新規展開に取り組むことになっている。ここには宮崎県指定の第1号古墳もあり、眺望の素晴らしい場所もあります。
浄専寺と隣の三ヶ所神社の枝垂桜を鑑賞し、昼食先である「ふれあいの里」へ。地こんにゃく職人として、参加者の中に熱狂的なファンのいる宮本さんの奥様によるお弁当を堪能。煮しめを中心にし、地産地消型フットパス弁当もまた、枝垂桜に劣らぬ本フットパスの大きな魅力です。
食後は、地元の方が私財を投じて新しい枝垂桜の名所とすべく土地を切り拓き、約1000本の苗木を植えつつある高台へ。数十年後の絶景に思いを馳せつつのひと時を、眺望見事な丘の上で過ごしました。

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