☆概要

 この会では「受援力」というテーマを軸に話が進められました。「受援力」とは、災害が起こったときに外部も含む様々な支援をよりよく受け入れる力のこと。2014年と2018年に起こった広島豪雨災害と和歌山大学の学生ボランティアの事例から学びました。
 広島では災害発生直後、「広島災害ボランティア活動連絡調整会議」が開かれ、その後「ボランティアセンター」が立ち上がりました。ボランティアセンターの役割は、ボランティアの活動を成り立たせるための裏方の仕事をすること。ボランティアの受付や、ボランティアとボランティアを必要とする人のマッチング、支援物資の受け取り・整理・配布などを行います。広島を助けたいというボランティアの想いと現地のニーズとをつなげるために、それを支える組織が必要なのです。実際に、ボランティアに行く側の声として、和歌山大学で災害ボランティアを行った学生が自分たちにできることを考え支援に入った際に、社協職員が受け入れてくれたことで、ボランティアセンターのビブスを着用してニーズ調査を行えたという事例が紹介されました。
 一方、和歌山県では3年ほど前からボランティアセンターの常設化を行っています。このことの根底には、「関係団体の日常的な連携がない中で、非常時に確実に連携できるのか?」という課題意識があります。非常時にすぐに連携できる組織にするために、ボランティアセンターの常設化を通して、平常時に様々な組織間のネットワーク構築やいざというときに有機的に動ける組織づくりを行っています。