☆概要

 この会では、熊本豪雨による球磨川氾濫で、橋が落ちて集落が孤立した熊本県三ヶ浦地区の被災経験から、「地域が孤立することで見えてきた地元住民の底力と地域の課題」について話が進められました。
 当時、避難所運営など現地で支援を行った小川氏は自身の経験から、次の3つについて述べています。
①地域で様々な役を兼業することの課題
消防団や班長(自治会長)など地域活動をする際の役割を複数持つことが、避難所運営をする際、どちらかの役割しか果たせず、結果的に助けられたはずの人が助けられなかった状況を生み出してしまったといいます。一人の人が複数の役割を持つのではなく、「大災害時に両立できることなのか」を普段からしっかり考えておくことが必要です。
②コロナ禍での災害支援の難しさ 
 前回の事例(第5回:コロナ禍での災害支援とは)でも挙げられたが、コロナ禍によるボランティアの受け入れに関して次のような状況が発生したといいます。
 三ヶ浦地区では、ボランティアの検温に伴う長蛇の列で熱中症になるボランティアが出てきたり、作業時間が実質3~4時間取れなかったりなど課題点が浮き彫りになりました。
③地元住民の底力
 一方、橋が壊れたことによる地域の孤立、コロナ禍によりボランティアの支援が少ないことで、土砂の撤去や、必要な機材やスキルを提供する(発電機をもっていたり、電気工事を仕事としている人がいたり)など、地域の人達が「自分たちでできることをしよう」という動きが活発になりました。