椎葉伝統の焼き畑農法によって収穫されたヒエとアワの脱穀作業ワークショップ。時間の都合で、ヒエの脱穀作業のみを実施しました。
最初に、作業の簡単な説明から。数種類の伝統器具と主に火、そして人力を使っての作業との説明。収穫されたヒエを、来年の撒種用のものを選別ののち、木槌で叩きながら実を外し、石臼ろくろで表面の皮と糠と実をを荒分離、外に設置したとうみ機で糠を吹き飛ばした後は大きなカマドで水分を蒸発、最後に木製の足踏み器具を用いての脱穀作業のローテーションと成ります。
乾燥させる・皮を剝ぐ・糠を飛ばす・フルイにかける。この単調で手間のかかる4パターンでヒエの実を選別・収穫するのですが、最初の状態から食べられる状況となるには重さ的に3割超までに減ってしまうことを知って驚かされました。
手順や加減には、椎葉の住人に脈々と受け継がれた人智と体験DNAが結集されているかのようで、作業場の焼畑蕎麦苦楽部に残されており、民俗資料館としての価値も高いです。
参加者の五ヶ瀬中等学校1年生は、こうした手仕事に非常に興味があったことも手伝ってか、すぐにコツを覚え、生き生きと勤しむ様子がスタッフらに憩いや活力を与えてくれました。
「昔は冬の寒い時期に子供も含む一家総出で行なっていたもの」
と、地元の方々が話してくれました。
合間合間に供されるお茶に午後3時の善哉、お昼にはイノシシ汁やシイタケとミンチの天ぷら、地トウモロコシをまぶして炊いたご飯。ほとんどすべてが地採取の穀物や野菜で作られており、どんな部位も無駄なく使われるのもまた先人の知恵。シイタケ茶には皆、感銘を覚えていました。
椎葉村『向山集落』ヒエつき
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